「わかる」シリーズ2冊と、他にももっと出ればいいという話
前から話は聞いていたシリーズ物のファンタジー資料本が出たので、
こちらでも紹介をば。
「堕天使」がわかる サタン、ルシフェルからソロモン72柱まで (ソフトバンク文庫)
- 作者: 森瀬繚,坂東真紅郎,海法紀光,nabe
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/07/17
- メディア: 文庫
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「世界の魔法使い」がわかる マーリン、パラケルススから近代魔術師まで (ソフトバンク文庫)
- 作者: 森瀬繚,静川龍宗,一徳
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/07/17
- メディア: 文庫
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最近、文庫本サイズのファンタジー資料本が色々出てますけど、
昼、書泉タワー行って、この2冊と、それらをざっと読み比べて感じたのは、
「これは方向性がハッキリしてるなあ」
というところでありました。
具体的に言うと、「原典・原著を明確にした上で紹介する」
というのが方針として出てるので砂。
例えば、堕天使本の場合、個々の説明に際し、
冒頭で、”「○○○○」によれば、×××は〜”という形になってるので砂。
また、何かしら著しい変化が出た場合は、そこも同じく出典を引くと。
他のシリーズの場合は、
逆に、「広く・浅く」という感じで、まず全体・概要をつかむために、という方針で、
原典が明記されてないことがあったりしました。
その分、多くの話を紹介してるので、単に雑知識を得るってだけなら、
どっちがいいとかいうものでもないところなのでしょうが、
そうでない場合、差が出るのではないかと思うので砂。
平たく言えば、
「創作(ゲームなり小説なり漫画なり)に使う場合、
原典が不明な、もっといえば著作権的・文化的に微妙なネタを峻別できる」
ということでアリマス。
実際、特定のネタが、史実・原典ではなく、
他者の創作物を元ネタにして再生産されている、ってのが割とあるわけで砂。
それも、制作者がそうだと気づかずに。
まァ危険。アラ危険。
(平たく言えば鈴木土下座衛門とかそういう話で砂)
しかし、この本の方向性(まず原典に当たり、どう変わっていったかも当たる)であれば、
そういうのにひっかかる危険性を事前に避けられるわけで、
こういう方向性で書かれた本は、創作の資料としては非常に良いのではないかと。
より深く調べようと思ったら、紹介されてる原典を当たればいいから、二重に便利ですし。
現状、まずは2冊、ということなのですが、この調子でシリーズが続けば、
なにくれとよろしいのではないか、と思い、紹介した次第。
まあ、上手いこと順調にシリーズ化した末、この方向性で
剣豪本とか名刀本とか出てくんないかしら、という当方個人の欲求も込みで、
受けたらいいなあ、というところで。
(新紀元社の本なんかも既にありますが、あれはサイズが大きいので若干かさばるので砂)