「柳生一族の陰謀」その2


 「柳生一族の陰謀」について、まだ書き足りないので、
今回は、観ながらリアルタイムに書いていったメモを元に。
時系列に沿って思ったことを書いてありますので、
ネタバレ全開でアリマス。ご注意をば。


・「十兵衛は今どこに?」
 「伊勢に面白い刀があるとかで…」


  「柳生大戦争」で十兵衛が伊勢に行ってたのは、
 これが元ネタだったのか、と、つくづく荒山先生の
 リスペクト力に思いを馳せたり。


・ 小者感溢れる知恵伊豆&春日局
 つか、知恵伊豆の人も何気に伝奇では虐待されがちで砂。
 隆慶先生とか隆慶先生とか隆慶先生とか。


・ 宗矩の名台詞炸裂。


 「親に逢えば親を殺し、仏に逢えば仏を殺し、
  善悪を超えた不退転の決意が肝要」


  つか、主の目の前で親SATUGAI発言をした直後に
 コレをかますって時点で宗矩一人勝ち。
 あと、後半の台詞は後に山口先生がリスペクトしてましたな。


・ 兄萌えの茜。
 …後の世に十兵衛が姉萌えをこじらせるのは
 ここら辺の変な因果があったのかしらん?


・ 知恵伊豆をあしらう烏丸少将&公卿ズ。
 「〜と詠っておられるのは。
  家光殿にご多幸あれとのお心でおじゃる」とか、
 いい公卿っぷりでアリマス。


駿府城下に集まりまくる浪人ズ。
 きっと丹波蝙也斎と愉快な仲間たちもいたに違いない。


・ そんな浪人ズを蹴散らす駿府藩士・別木庄左衛門。つか夏八木勲
 槍で大立ち回り。
 なんつか、五味先生辺りに書かせたら
 確実に父と祖父と嫁とその親の話まで書きそうな類の侍で砂。


・ こっちの家光は衆道じゃないのなあ。
 もしそういう話だったら、左門が斬られた後で
 また珍妙な展開になってたのかしらん、とか思ったり。


・ 烏丸少将と立ち会ってこれを下す十兵衛。
 実際、勝つのは十兵衛なわけですが、
 まず、斬り合う前に、縁に鉄を仕込んだ笠を投げて
 その次に、鉄製の鞘を使って、
 最後に、斬り返しで斬る、という具合に、
 打てる手を全部打っての勝ちだけに、
 逆に烏丸少将の強さがわかるのが面白いで砂。


・ 烏丸少将亡き後、途端にへっぽこになる公卿衆。
 挙句、後に「助けておじゃれ〜」とか言いながら
 SATUGAIされる三条卿。


「こんなこともあろうかと」

  時代劇でこれを聞くとはなあ。


・ 切り捨て感溢れる浪人ズ。
 つか、鉄砲持ち込んで煽りまくる根来衆
 もう宗矩の暗黒力が溢れ出し過ぎ。


「それがしにおまかせくだされ」

  宗矩の決め台詞になるかなあ。
 つか、根来衆にげてー!


・ 予想通りの根来殲滅戦。
 子どもを刺殺(しかも団子刺し)とかしちゃうのは
 時代なんでしょうか喃。
 しかし、詰め甘いなあ。


・ 小笠原玄真斎と宗矩の決闘。
 背景が唐突に石仏のある風景に。
 日本にこんなトコってあるのか。
 まあ、絵にはなるけど。


・ 焼き討ちアフターの根来に着いてガガーンの十兵衛
 つかちゃんと片付けろよ柳生衆。
 でも、指揮してたの宗冬と判明。
 そりゃダメだ、と視聴者も納得で砂。


「ぶち壊した!」


 「これは夢だ。夢を見ているのだ。
  これは夢でござる」


  ラストが怒涛の展開で砂。
 つか、歴史を知ってると、逆にこのラストはインパクトあるよなあと。
 この宗矩は確かに歴史に残る宗矩です喃。


・ 「それは悪夢だったのだろうか?」


  とか言われると、

 
 「…それとも、哀しい愛の亡霊だったのだろうか?」


  とか繋げたくなってしまう今日この頃。


「数々の歴史にも【中略】という記録はない。
  しかし、こうした支配者への反逆は
  元々歴史には記録されないことが多いのである。
  事実、これに似た悪夢は、その後もしばしば現れて
  支配者達の心胆を寒からしめたのであった」


  なんという「真実はこうだったんだ」メソッド!
 大作でこれをやるってのは肝が据わってるというか、
 開き直りにも程があるよというか、
 まあ、リスペクトする人間続出なのもわかるよなあと。


 いや、なんとも傑作でありましたな。
これを越える宗矩を作ろうと思ったら、並大抵のことじゃないです喃。
まさにさいきょう。


 次は「魔界転生」の方をば書くでありますよ。
つか、嘘競演の方で、とっととフランス柳生話も書かねば。