「これがッ!これがッ!これがマッドアナウンサーだッ!」
先日、amazonで「ベルカ、吠えないのか?」をコウニウ。
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前から「読め読め読んでイシカワ化すれ高橋メソッド作れ」と
お勧め頂いていたのですが、一緒に買った他の本も気になるので、
とりあえず順番で、と考えてたのです。
その他の私事もありましたシー。
ですが、本と並行に薦められてた
著者の古川日出男先生本人が朗読するライブ映像を
今更ながら、見てしまったのでアリマス。
な ん だ こ れ は
【SPACE SHOWER Digital Archives X】
(07/07/15までなのでご注意をば)
「古川日出男×向井秀徳」から先で、
その衝撃の朗読ムービーが始まるのですが、
その有様たるや コレはもォどういうことなのか、でアリマス。
「この異常なテンション!」
元々、「ベルカ、吠えないのか?」の地の文におけるフリーダムさ加減は、
イン殺氏のレビューでも既に語られていた訳ですが、
それでも、やはり小説における地の文というものは、
比較的平坦な口調で読まれるものであろう、と当方は思っていたのですよ。
しかし、この朗読によって発言した”それ”は、
もう明らかに”違う”ものなのです。
この「異常なテンションで地の文は語られ得る」という状況を
我々が認識してしまった以上、それは当然、他の作品にも適応され得るわけで、
果たしてこれに適応する概念は、と思ったところで、記憶の底から蘇った単語が!
「マッドアナウンサーだ!マッドアナウンサーだよ!」
【マッドアナウンサー】
>■ 解説
>明らかに狂った言説を弄する解説役、
>及びそういったキャラクターが活躍する場面・作品の意。
>■ 例
>古館伊知郎
>K井K一 (『国民クイズ』)
>全選手入場、「達人は保護されている」 (『グラップラー刃牙』)
>『ラヂオの時間』
>テリーマン
>ロビンマスク
>『シグルイ』ナレーター
>DMC 信者
上記解説に更に追記すれば、
「明らかに狂った」の前に「異常なテンションを以って」が入るわけですが、
ともかく、そういうことなのです。
若干ズレますが、男塾の民明書房やトリビアのナレーターもこの一種であろうと。
それにしても、今回はいつもにも増してイン殺氏の辿りついた場所に
後から追いつく趣で砂。
「貴様の立っている場所は、私が3年前に通過した場所だッッ!」
ともあれ、マッドアナウンサーは、その異常なテンションと狂った言説を以って
物語を更なるカオスへと導くわけですが、従来、この概念は
漫画やアニメ、映画、ゲームなど、ビジュアル的要素を持った作品で頻出し、
小説への適応例については、当方、思いが至っていなかったわけですが、
ここにその実例が降臨したわけなのですよ!エウレカ!
つか、先日情報公開された際、この筋の方々を恐悦の渦に叩き込んだ
「無明逆流れ朗読CDby強力若本」を認識した時点で、
既にそれは気づいて然るべきであり、まったく不覚ではありましたが、
まあ、ともかく、こうして新たに得た概念に、今、気づけて実に重畳。
何故かって?
それは、これから「KENZAN!(つか柳生大戦争)」を読むからでありますよ!
- 作者: 荒山徹他
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/10
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荒山作品における地の文が、ナチュラルに民明書房メソッドに
則っていることは既に常識ですが、それにマッドアナウンサー概念が加われば、
我らが得られる悦楽たるや如何なるものか。
如何なるものか。