伝奇モンスターAYT(荒山徹)!


 「処刑御使」の高橋メソッドを書いた後、思ったことがひとつ。


「ひょっとして、荒山先生と我々のような(正誤両方の意味で)確信犯的に
 駄目駄目しい荒山ファンの関係性というのは、
 クラウザーさんDMC信者のものに近似しているのでは?」


「更に言えば、荒山先生の本音というのは、
 まさにクラウザーさんと根岸君のようなものなのではないか?」


 ということが、ひょろりと頭に浮かんだので、
その辺を軽く妄想えて(かんがえて)みる。


  伝奇小説家、荒山徹(44)は悩んでいた。

 
 「うう…もう歴史伝奇なんて書きたくないよ…。
  僕が本当に書きたいのは、もっとポップでオシャレな恋愛小説なんだ…」


 「国を越えて出会った日本人と韓国人のカップルが、
  温かい人たちに囲まれて、ささやかだけど幸せな生活を送る…。
  そんな話が書きたいよ…」


  しかし、いざ書き上げてみると…。


 『鬼才・荒山徹、期待の新刊!"処刑御使"
 『五十年後から七人の未来朝鮮人が襲来!伊藤博文、絶対絶命!』
 『無惨!○○○○、巨大○○に踊り食い!』
 『どこかで見覚えのある名前の方々が続々登場!そして以下無惨!』
 『朝鮮妖術師の限りなきチャレンジ魂!歴史改変は他にもあった!』
 『朝鮮妖術大決戦!○○大軍団VS超巨大○○の群れ!』


 「うう、どうしてこうなるんだろう…」


  ヘコむ荒山徹


 「ヒャーハッハッハ!今回もサイコーよ!
  この調子でドンドン伝奇を書きまくりな!」


  興奮のあまりビショ濡れになる編集者。


 「オラ、今回も信者どもが大絶賛だぜ!」


  ネットの伝奇系サイトで掲示板の書き込みを見る。


 「流石は伝奇モンスター!
  今回もイカす朝鮮妖術が炸裂してサイコーだったぜ!」
 「しかし、○○○○までジャガるとは…。
  荒山先生は完全にリミッターが外れちまってるな」
 「やはり、荒山先生が次に書くのが
  "金日成=朝鮮妖術師説"って噂は本当だったのか…」


  こうして”伝奇モンスターAYT”の伝説は
 更に積み重ねられていくのであった…。


  もし本当にこうだったらどうしよう。
 ……ま、いいか。


 「ゴートゥAYT!」
 「ゴートゥAYT!」


 「KOUNYUUせよ!」
 「KOUNYUUせよ!」